農業化学品開発部
先端化学品事業本部に属する開発センターの1つ、農業化学品開発部は、食料の安定生産に貢献するため、高性能で安全性が高く、かつ低環境負荷型の先端農薬の開発に取り組んでいます。
創農薬分野


「食の安全」に対する人々の関心が高まるなか、精密合成技術、性能評価技術に基づき、独自の発想に立った新しい農薬有効成分の研究開発に取り組んでいます。
何万点もの化合物から一つとも言われる農薬有効成分の創出を、効率的かつスピーディに行うのが農業化学品開発部の使命です。化学構造の斬新なデザインと高度な精密合成技術で創出した化合物から、多種の病害虫に対する効果検定、薬剤効果の持続性調査、気象条件が薬効に与える影響研究、作用機作確認などの性能評価技術を駆使して、いかなる可能性も見逃さずに開発候補化合物を絞り込んでいきます。
これらの技術の融合により、水素、炭素、酸素のみからなるピレスロイド様殺虫剤エトフェンプロックスや、他のネオニコチノイド系殺虫剤とは性質を異にする、構造中に塩素を持たないジノテフランなどの独創的な化合物が生まれました。
ピレスロイド系殺虫剤は一般的に魚毒性が強いため、それまでは水田で使用できませんでした。しかしエトフェンプロックスは、魚に対する安全性を向上させることで水田分野での使用を可能にしました。
ジノテフランは、広い殺虫スペクトル、高い浸透移行性、薬害を起こしにくい特長を利用し、野菜の苗箱や株元への灌注処理などの、ユニークな処理法を可能にしました。これらの処理法は薬剤が周辺環境に飛散しにくく、薬剤処理作業の省力化にもつながりました。
また、人畜に対する影響が低いエトフェンプロックスやジノテフランは、農薬使用用途以外に、家屋のシロアリ駆除、マラリア媒介蚊の防除、畜舎の衛生管理といった生活環境分野でも広く使用されています。さらに、ペットのノミを退治するスポットオン剤や、台所のコバエ退治などの新製品を開発しています。
広い殺菌スペクトルを持つ新規骨格の殺菌剤ペンチオピラド(アフェット®[農業分野]、ガイア®[芝草分野])も近々上市予定です。
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- スタークル®、スタークルメイト®、トレボン®、アフェット®、ガイア®は三井化学の登録商標です。
アルバリン®はアグロカネショウの登録商標です。
農薬の製品化にあたっては、有効成分を圃場に均等にいきわたらせたり、水に溶けにくい化合物を水に分散させたりするための製剤技術が必要不可欠です。製剤化研究は三共アグロ(株)が担っています。



エトフェンプロックスの構造図