触媒科学研究所

触媒科学研究所は、触媒のもつ「高生産性」と「高選択性」を活かして、未来の地球を考えた安全性の高い革新プロセスや、非化石原料活用技術、機能性製品を生み出す研究開発に取り組んでいます。分子触媒、固体触媒、生体触媒の3つの触媒技術をもとに、次々と新技術や新製品を創造しています。

分子触媒研究

分子触媒の研究では、分子触媒を自由に分子設計できる利点を活かして、「○○できる触媒がほしい」という想いを実現する触媒を創り出しています。

特にオレフィン重合の分野では、オレフィン系機能性材料の創出をめざしたメタロセン触媒やフェノキシイミン(FI)触媒などの三井独自の錯体触媒研究が進んでいます。また最近では、配位子設計と精密合成技術を駆使することで、良共重合性を活かした機能性エラストマー類、従来合成が困難だった片末端不飽和低分子量PE、超高分子量PE、超微粒子PE、オレフィン系ブロックポリマーなどを創出し、新たなポリオレフィン領域を切り開いています。

また、「環境と調和したプロセスにしたい」との想いで創造したホスファゼン(PZN)触媒は、触媒には珍しく金属原子を含みません。この触媒は過酷な条件を必要としていた反応を穏和な条件で進行させることが可能で、新しいウレタン原料製造プロセスを実現しています。

フェノキシイミン(FI)触媒を用いたエチレン重合の様子フェノキシイミン(FI)触媒を用いたエチレン重合の様子

ホスファゼン(PZN)触媒ホスファゼン(PZN)触媒

固体触媒研究

固体触媒の研究では、固体触媒のもつ、「細孔構造や表面構造による反応選択性」および「生成物と触媒との簡単な分離」などの利点を活かして、オレフィンや芳香族化合物などの汎用化学品をより低コスト、低環境負荷で製造できる触媒を開発しています。また、環境対応技術として、光のエネルギーで有害物を分解する光触媒、ダイオキシンを分解する触媒、クリーンな燃料である水素を製造するメタノール改質触媒など、高い性能を示す触媒を生み出しています。

さらに、ナノレベル細孔を有するメソ多孔体は、従来のミクロな細孔(<1nm)しかもたないゼオライトにはない特性を示します。これらに、水安定性、酸性、撥水性などを付与して、さまざまな用途の触媒担体や材料を開発しています。

光触媒光触媒

生体触媒研究

生体触媒の研究では、酵素触媒のもつ高い選択性・反応性を活かし、有用材料のプロセスイノベーションに繋がる酵素触媒を開発しています。目的に合う酵素を見出し、計算科学による解析をもとにデザインし、そのデザイン通りの高機能酵素を種々の微生物変異技術を用いて作り出しています。これまでに、樹脂用モノマーのアクリルアミドや医薬中間体となるアミノ酸などの製品を創出しています。また、非可食資源の活用を可能とする新たな原料転換技術の開発にも積極的に取り組んでいます。

酵素-基質相互作用(CGモデル)酵素-基質相互作用(CGモデル)

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