市原工場におけるエチレン系製品の高付加価値化推進について

2009年1月30日

各位

三井化学株式会社

当社(社長:藤吉建二)は、本年にも予想される、中東の安価なエタンガスを原料としたエチレン系製品の大量流入による競争激化に備えるため、次の通り、当社市原工場(千葉県市原市)におけるエチレン系製品の高付加価値化を推進いたしますので、お知らせします。

1.市原工場・EOGプラントの停止

ポリエステル繊維や不凍液の原料となるエチレングリコール(EG)は、中東及びアジアにおけるプラントの大幅な新増設により、今後、更に供給過剰となることが懸念され、事業環境は大変厳しい状況となることが見込まれます。

EGはその主原料のエチレンオキサイド(EO)と同一プラント(EOGプラント)において一貫生産されています。当社は、市原工場及び大阪工場にEOGプラントを有していますが、市原EOGプラントはEG比率が高く、今後大幅なEO比率の向上は困難と見込まれることから、2009年11月をもって、同プラント(EO:11万9千トン/年)を停止することを決定いたしました。なお、当社は、市原EG顧客に対しては、海外品等への切り替えをお願いしてまいりますが、輸送面での困難さから中東品の影響を受けにくいEOは、界面活性剤等の付加価値の高い用途での原料として今後も安定した需要が見込めるため、市原EO顧客に対しては、他社に生産委託し販売を継続する予定です。

一方、大阪EOGプラントは、現在EO比率が65%と高く、更に顧客を当社大阪工場EOGプラント隣接地に誘致する等、更なるEO比率の向上を進めており、今後も運転を継続していく方針であります。

今回の、市原EOGプラントの停止に伴い、原料として利用しているエチレン8万トン/年については、下記の通り、より高付加価値な製品の新プラント向けの原料として活用してまいります。

2.新規高付加価値製品プラントの建設

当社は、下記のとおり、市原工場内に1-ヘキセンプラントを新設いたします。本新プラントにおいて、EOGプラント停止による余剰エチレンのうち、新たにエチレン4万トン/年を使用いたします。

新設プラントの概要

  1. 製品名:1-ヘキセン
  2. 生産能力:3万トン/年
  3. 技術:当社独自の触媒技術による選択的エチレン三量化法技術※
  4. 投資額:75億円
  5. スケジュール: 09年11月着工、10年10月完工、10年12月営業運転開始
従来のクロム触媒技術を使用した場合に比べ、約600倍の極めて高い活性を示す。さらに、選択率が高く、低温かつ低圧でも優れた活性が得られるため、シンプルかつ省エネルギー型のプロセス設計が可能となる。

1-ヘキセンは、HAO-LLDPE*やHDPE(高密度ポリエチレン)の副原料として使用されており、全世界で65万トン程度使用され、年率6~7%の成長が見込まれております。当社と出光興産株式会社とのポリオレフィン合弁会社「株式会社プライムポリマー」は、コア事業である「エボリュー® (メタロセン触媒系HAO-LLDPE*)」の副原料として1-ヘキセンを使用しており、全量外部から購入しています。当社は今回の1-ヘキセンの自製化により、プライムポリマーへ供給を行い、当社グループの外部購入費用削減を図るとともに、中東では生産されない高付加価値製品である「エボリュー® 」事業の安定・強化に貢献いたします。なお、生産余力については、外部販売を行います。

また、現在、プライムポリマーにおいて、当社市原工場内に所在するエボリュー® 既存プラント増強(24→30万トン/年:6万トン/年増強)について、計画の最終検討段階にあります。事業環境等鑑みて、最適のタイミングに建設すべく検討を進めており、決定次第速やかに発表いたします。本計画の実現により、EOGプラント停止による余剰エチレンのうち、残る4万トン/年を消費する予定です。

HAO-LLDPE:フィルム等製品の強度、ヒートシール性、加工性などを改良するためにコモノマーをブテン(C4)からヘキセン(C6)やオクテン(C8)などの炭素数6以上のハイヤーΑ オレフィンに変更した直鎖状低密度ポリエチレン

当社は、08年度より新たにスタートした中期経営計画の中で、基礎化学品事業においては、「中東等の脅威に対する国際競争力強化」のため、「差別化技術によるポートフォリオ入替え」及び「石油精製等との地域連携推進による工場コスト競争力強化」を基本戦略としております。今回の一連の取り組みは、中東品と競合する製品の比率が高い市原工場における、差別化技術によるポートフォリオ入替の一環です。これに引き続き、今後、(1)汎用HDPE(高密度ポリエチレン)から高付加価値製品のメタロセンHDPEへ、(2)汎用PP(ポリプロピレン)から付加価値分野用途PPへの入替等に取り組みます。当社は、今後とも、基礎化学品事業分野において、国際競争力の更なる強化を図ってまいります。

本件に関するお問い合わせ先

三井化学株式会社 CSR・広報部長 山崎 真 TEL:03-6253-2100

参考:エボリュー®とは

メタロセン触媒を利用した当社独自の気相重合法により、エチレンとハイヤーΑ オレフィン(ヘキセン-1)を共重合した特殊なLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)です。 従来のチーグラー・ナッタ触媒を用いたLLDPEに比較して、強度、透明性、シール性が優れ、物性と成形性とのバランスが極めて優れるLLDPEとして、包材用途を中心に幅広く使用されています。 今後も、環境負荷低減の要請に伴う薄肉化ニーズにより、中長期的に需要は堅調に推移すると見込まれます。


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